「ある召使いの女が、自ら情欲を満たすためにロバを使った話 ー ロバをヒトの男のように仕込み、あたかも雄山羊が雌羊にするように自らに奉仕させた話。度を越させないよう使役の際には瓢箪を陰茎に被せていた話。召使いの女主人がそれを知り、だが瓢箪の使い方までは知らぬまま、口実を作って召使いの女を屋敷から追い出し、瓢箪を使うことなくロバと同衾した話。そのため恥多い死に至った話。その後で召使いの女が屋敷に戻り、泣いてうめき声をあげた ー 「ああ、わが魂よ、わが愛する光よ。あなたは私の行いを見ていたのですね。けれど瓢箪は

とめどない淫欲の虜となったある召使いの女がいた。彼女はロバを馴らし、(彼女がロバにまたがるのでは無しに、)ロバが彼女にまたがるよう仕込んだ。(彼女は)ロバにヒトの媾合を仕込んだ。ヒトの男がするように、ロバは(彼女相手に)媾合を果たすようになった。

彼女は邪知にたけており、ロバの陰茎の通り道となるよう(ロバとの間に)瓢箪を置いた。そのため(ロバの)挿入の瞬間には、陰茎の上半分のみが彼女の中に入るのだった。根元まで彼女の中へ挿入されたならロバの陰茎は、彼女の腹も腸も引き裂いてしまっただろう。

ロバは次第にやせ細っていったが、(屋敷の)女主人はどうすれば良いのか見当もつかなかった。「まるで髪の毛一本のようだ。一体どうしてこのロバは、こんなにやせてしまったのだろう?」女主人はそう言って、ロバを獣医にみせて尋ねた。「こんなにやせてしまうなんて、これは何かの病気でしょうか?」。

しかし何の病気であるかは分からずじまいだった。これといった原因を告げられる者は、誰ひとりとしていなかった。こうして真実の探求が始まった。ありとあらゆるものが吟味の対象となった。真摯な探求には魂を捧げねばならぬ。真摯に探求する者は必ずや目的を果たす。ロバの身の上に何が起こったのかを探るうちに、女主人はそれを目撃したのだった ー 水仙のごときあの召使いの女が、ロバの下に横たわるのを。

(女主人は)そこで起きている一部始終を扉の隙き間から覗き見した。年かさのこの女は、(その光景に)ひどく驚いた。ロバはまるで(ヒトの)男がするように、ロバは小間使いの女をわがものとしていた。それは男が女にするのと全く同じやり方だった。

女主人は妬ましく思った。「そんなことが出来るのなら、権利は私にあるはずだ。だってあのロバは私のものなのだから。ロバは十分な手ほどきを受け、とても良く仕込まれている。まるですっかり整えられた食卓のよう、あとは灯火を点すだけ」。そこで何も見なかったふりをし、厩舎の扉を叩きながら言った。「召使いや、掃除にはあとどれくらいかかるのだい?」。

そう声をかけてから付け加えて言った ー 「召使いよ、扉をお開け。おまえの主人のお出ましだよ」。それだけ言うと、後は口を閉ざした。彼女自身の望みを果たすためにも、召使いの女にはそれ以上は何も言わずにいた。召使いの女はあわてて罪の道具を隠した。それから進み出て扉を開けた。顔つきはこわばり、目には涙を一杯ためて、唇を噛みしめ(召使いの女は)言った ー 「私は断食をしておりました」。それらしく見せるために手にはやわらかなほうきを握り、「悪臭たちこめるこの場所を、こうして掃き清めておりました」。

ほうきを手に扉を開けるのを見て女主人は、心の中でつぶやいた。「おやまあ、なんてずる賢い娘だろう。おまえはほうきを手に深刻ぶっているけれど、ロバの方はどうだろうね?餌を取り上げられてすっかり怒っているじゃないか。陰茎を振り立てて、おまえの穴を食い入るように見ているよ」。(だが女主人は、それを)小さな、小さな心の声にとどめた。そうして召使いの女には自分の思うところを隠し、無垢なおとめにそうするように、優しげなそぶりでこう言った、「さ、行ってチャードルで頭を覆い出かける支度をおし。どこそこの誰それのお屋敷へ、わたくしからの言伝てを届けてほしいのよ」。

二人の女が交わした会話は省略しよう、こと細かに言わずとも分かるだろう。年かさの女は用心深く召使いの女を送り出し、それから扉を閉ざした。情欲に酔って晴れ晴れとした面持ちになっていた。(彼女は)心の中でつぶやいた、「これでようやく一人っきりになれた。大声を出して感謝したいくらいだわ、四ディフラム、二ディフラム※から解放されたのだもの」。

快楽の予感に彼女の膣は夜鳴き鶯のごとく歌い出した。情欲の炎が燃え盛り、堪えきれなくなっていた。興奮のあまり絶頂に達し、気を失っても不思議ではなかった。

(続)