2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『回教概論』

回教概論 (ちくま学芸文庫)作者: 大川周明出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/08/06メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (7件) を見る筑摩書房から8月に出版されました。(復刊というのかな?)英語で書かれたイスラム文献の著作権切れラ…

シャムス・タブリーズィという人物について

『マナーキブ』を読み続けています。ここで読んでいるのは全編を通してではなく編集し直されたものなので、あちこち、話が飛んでいるようにも思えるかもしれません。またずいぶんと「きれいに」まとめてもありますので、読む方も色々と想像力を働かせながら…

『ロシア 語られない戦争』

ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記 (アスキー新書 71)作者: 常岡浩介出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2008/07/10メディア: 新書購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (29件) を見る常岡氏は私が尊敬する人物の一人…

『金持ちの商人と西のダルヴィーシュ』2/2

マウラーナの住まう館へは、その友人を名乗る男が案内してくれた。タブリーズの商人は彼に連れられて、マウラーナの館と、道場へと向かった。マウラーナは道場にいた。彼は弟子達に講義をしている最中で、内容は今まさに核心に触れようとするところだった。…

『金持ちの商人と西のダルヴィーシュ』1/2

伝えられるところによれば、長い旅路の果てに裕福な商人がタブリーズからコニヤにやって来た時のことである。彼は顔見知りの砂糖商人の館に滞在したが、その際に、コニヤに住まう聖者を紹介して欲しい、と頼んだ。聖者に会って挨拶をし、手を握り、布施をす…

『こっそりと戦場に参加する』

屠殺を生業とし肉屋を営むある男がいた。彼はマウラーナと同じくジャラールッディーンの名で呼ばれていた。『祝福のジャラールッディーン』とあだ名されるほど、最も古くからマウラーナの弟子の一人だった。機知に富み、情け深い男としてもよく知られていた…