2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『精神的マスナヴィー』序章(後半)

『精神的マスナヴィー』序章、2/2です。 息子よ、おまえの鎖を断ち切り自由になれ! いつまで銀貨金貨に繋がれた奴隷でいるのか? 海を水瓶に汲んだところで、いったいどれほどのものか? 一日分がせいぜいではないか? 欲望の眼という水瓶は決して満ち足り…

『精神的マスナヴィー』序章

『ルーミー詩撰』でも、「葦笛の歌」として取り上げられているので少し重複しますが、今日は『精神的マスナヴィー』の序章を読んでみました。未だに『精神的マスナヴィー』と表記するのか、『精神的メスネヴィー』と表記するのか悩ましいところではあるので…

「Haqq」についてのめも書き

『ルーミー詩撰』更新したのですが、今回訳出した詩編に出てきた「Haqq(ハック)」についてめも書きしておこうと思います。Haqqというのはアラビア語で「真実」「真理」を意味します。「right」とも訳されますが、「正義」というよりも「正解」という意味で…

『ルーミー詩撰』更新しました

以前に『精神的マスナヴィー』を底本にしたものを、『ルーミー詩撰』を底本に改めたものと、『フィーヒ・マーフィーヒ』からの抜粋とを追加しました。『フィーヒ・マーフィーヒ』の方は、『ルーミー語録』と題されて井筒俊彦著作集に収録もされています。と…

ルーミーと宗教

タルサに非ず、ヤフードに非ず。 ガブルに非ず、ムスリムに非ず。果してルーミーは特定の宗教を信仰していたのでしょうか?以前のエントリで「英語圏で一番良く読まれている詩人」と紹介しましたが、英語圏で読まれているものは、『ルーミー詩撰』のようにイ…

『シャムス・タブリーズィ詩集』

ルーミーというひとはもともと神学者の家系に生まれたひとであり、自身もそもそもは宗教学者、神学者だったわけですが、それがまたどうして詩作などを始めたのでありましょうか。 彼の詩人への突然の変身は一二四四年に起った。この年、偶然(か天の配剤か)…