『Khuda Kay Liye (神に誓って)』

そろそろ涼しく、過ごしやすくなり始めました。今日は映画の紹介です。

youtubeではこの他にも沢山の動画が見られます。映画の公式サイトは→こちらです


 国際交流基金は4日、パキスタンで昨年公開された映画「神に誓って」のショエーブ・マンスール監督(57)の講演会を東京都新宿区の同基金で開く。ショエーブ監督は同基金の文化人招聘事業で初来日した。

 同基金によると、「神に誓って」はパキスタン映画としては43年ぶりにインドで公開され、パキスタンの国内興行成績を塗り替えるヒットを記録した。一方、宗教問題を公然と扱ったことへの反発が巻き起こり、原理主義的立場の宗教家らから反イスラム的と批判され、裁判で争われている。

 映画は、パキスタンで暮らすイスラム原理主義者の弟と、米国の音楽学校に留学したリベラル派の兄が主人公。アフガニスタン戦争や米中枢同時テロをイスラム教徒としてどうとらえるか、兄弟が葛藤する姿を描いている。ショエーブ監督は「イスラム教のことを知り、考えるきっかけにしてほしい」と話している。
シネマガイド ー 四国新聞社

引用記事にもある通り、とても興味深い映画です。TV番組のプロデューサー業をつとめるマンスール氏に、先日辞職したムシャラフ氏から打診があったのが、映画製作のそもそものきっかけだったのだそうです。

ショエーブ・マンスール氏曰く「宗教を扱う映画を撮影するなら1本だけと最初から決めていたので、その1本で全てを語ろうと思った」とのことで、その言葉通りありとあらゆるエピソードが盛り込まれていますが(移民達の世代間摩擦、婦人達に関する問題、宗教解釈の問題、表現の自由、教育に関する問題・・・)、全体を通して描かれるのは「原理主義者達からは非難され脅迫され、かたや西側諸国からはムスリムであるというだけでテロリストと疑われ」ながらも「前進を試みるムスリム達の苦悩(公式サイトの紹介文より)」であり、焦点が決してそこからブレることがありません。そのためストーリーにも無理が感じられるということはないですし、前述した諸問題のうちどれひとつとっても「後回し」にできることではないわけで、むしろ生々しくリアルです。

福岡で今秋開催される映画祭の出品作品だそうで、福岡在住の方が少しうらやましく思えます。