群盲撫象図

江戸時代の絵描き、英一蝶(1652−1724)の作品です。

ここに描かれているたとえ話の発祥地はインドです。ジャイナ教、仏教、ヒンドゥー教、いろいろな宗教の先達が、このたとえ話をモチーフにしてきました。

イスラム教では、マウラーナが「精神的マスナヴィー」の中で、このたとえ話を語りなおしています。

マウラーナはこのたとえ話に彼らしい(イスラム教徒らしい?)解釈を加えているのですが、その部分については色々な訳出があるようです。中でもいとう・せいこう氏のすばらしい訳があるので、それを引用しましょう。


イスラムの言葉 (コレクション「知慧の手帖」)

イスラムの言葉 (コレクション「知慧の手帖」)

神ハ海ヲ見セタマワズ
ソノ泡ヲノミ見セタモウ
神ハ風ヲ見セタマワズ
ソノ塵ヲノミ見セタモウ

塵ガ自ラ舞イ上ガレヨウカ
サレド汝ハ風ヲ見ズ
塵ニソノ目ヲ奪ワレル

泡ガ自ラ揺レ動コウモノカ
サレド汝ハ海ヲ見ズ
泡ニソノ目ヲ注ギ込ム